2021年9月22日水曜日

これがコロナの症状を和らげる漢方薬 北里大は「麻黄」を用いた重症防止を治験中 日刊ゲンダイDIGITAL - 日刊ゲンダイDIGITAL - 2021年9月18日

予防のために取り入れることも可能です。中国医学の古典に『正気存内、邪不可干』という有名な言葉がありますが、体内の免役が高ければ邪気ははね返せるという考えです。自宅療養に備えて自身で用意することが可能です」

「麻杏甘石湯」

「感冒症状を和らげる効果があります。古くから気管支炎や気管支ぜんそくに用いられた薬で、解熱薬で効果がないときに補います。汗をよくかく、口の渇きがあるといった症状が処方の目安になります」

 

■咳や鼻水がつらい

「麻杏甘石湯」「大黄甘草湯」「清肺湯」

 

「大黄甘草湯は、便秘薬としても知られます。体力に関係なく使え、『甘草』の成分が鼻水や咳を抑える役割を担います。清肺湯は、鼻詰まりや、粘りが強く切れにくい痰を出しやすくし、咳の症状を抑えます」

清肺湯は、中国、台湾、韓国の「新型コロナ感染症治療のガイドライン」に記載され、日本感染症学会の特別寄稿文の中でも紹介されている。

■味覚・嗅覚がない

「胃苓湯」「小柴胡湯加桔梗石膏」

 

「『胃苓湯』は胃の余分な水分を排出するとともに内臓の働きを促します。食欲の増進と、痰や鼻水など異物を出しやすくし、喉や鼻の通りを良くします。また、『小柴胡湯加桔梗石膏』は、去痰・排膿作用の桔梗や滋養作用の人参など9つの生薬が配合され、扁桃炎などによるのどの腫れや痛みの改善に効果があります。味覚・嗅覚がなく食が進まないときも、食事の通りを良くし、栄養分の補給になります」

■倦怠感、寒けや節々の痛みがある

 

「麻黄湯」「葛根湯」

「『麻黄湯』は、発汗作用があり、体の熱や腫れ、あるいは痛みを発散し、風邪のひきはじめの寒けや発熱、節々の痛み、倦怠感の緩和に効果があります。代謝が上がりすぎるので、若い方など体力に自信のある人におすすめ。高齢者や子供などはほぼ同じ作用の『葛根湯』を選ぶといいでしょう」

 

■無症状だが免疫力を高めたい

「補中益気湯」「玉屏風散」

 

「『補中益気湯』は、胃腸の消化・吸収機能を整えて、病気に対する抵抗力を高める薬として使われます。気力が湧かなかったり、疲れやすいときに処方します。しっかり睡眠と栄養を取った上で取り入れるといいです。『玉屏風散』は、屏風という言葉が入っている通り、外からの邪を食い止める意味が込められています。強壮薬のオウギや発汗で体内の毒を排出するボウフウといった生薬が配合されていて、体の免疫を立て直す効果があります。また気管支炎、慢性鼻炎、花粉症といったアレルギーを抑えます」

さらに呼吸器疾患がある人は予防として「清肺(排毒)湯」を飲んでおくといい。

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