2021年1月3日日曜日

医療法人聖光園 細野診療所 漢方治療 since 1928

感染リスクの低い方は、基本的には、今現在服用されている漢方をそのまま服用されていて構いません。しかしどうしても仕事で外出しなければならない方、特に公共交通機関や医療関係にお勤めの方は不特定多数と接触する機会が多いのでハイリスクです。そのような方は予防用の漢方薬を服用することが推奨されています。 台湾国家中医学研究所ガイドラインに新型コロナウイルス感染症に対する予防薬としては、以下の2処方が挙げられています。 A)黄耆、荊芥、甘草、生姜、板藍根ばんらんこん、魚腥草ぎょせいそう、薄荷、桑葉 B)荊防敗毒散、魚腥草、板藍根 Aの処方はご覧の通り、8種類の生薬の組み合わせで名前はついていません。当院では便宜上、耆荊板藍根湯ぎけいばんらんこんとうと呼んでいます。またBは荊防敗毒散けいぼうはいどくさんという皮膚疾患の時に使う処方を基本に、魚腥草、板藍根などの解毒系の生薬を加えて構成されています。皮膚疾患もウイルス感染も、最初に体の外部に接する部分(皮膚・気道)から侵入するため、まずはその部位より追い払うという考えに基づき両処方とも組み立てられています。またB処方はAと違い17種類の生薬より構成されます。比較的作用は穏やかで多岐に渡るため解毒体質への体質改善薬としても効果的でしょう。逆に耆荊板藍根湯は8種類の生薬から構成されるので、一つ一つの含有量が多いためより強い作用を期待できるのではないでしょうか。どちらの漢方が良いのかは、その方のこれまでの経過や現在の体調等を考慮して医師が判断しますので、どうぞご相談下さい。

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