2020年4月29日水曜日

中西医結合群の臨床症状消失時間、体温回復時間2、平均入院日数、及び中医証候採点、全て西洋医群より有意に少なかった(P<0.05またはP<0.01)。 中西医結合群退院時の随伴症状消失率87.9%、CT画像改善率88.2%、臨床完治率94.1%及び普通型から重症型に悪化する率5.9%も西洋医群よりも有意に高かった(西洋医群は53.8%,68.8%,61.1%,33.3%)(P<0.05またはP<0.01)。これらの結果から、中西医結合でコロナ肺炎を治療する時は患者の症状を顕著に軽減し、病程を短縮し、完治率を高めできると推測しています。 少なくとも、中医治療を併用することの優位性が示されたのですが、使われている処方が多様であったため、明確にどの処方が効果があるのかを示したというよりは、中医学的診断に基づいた処方が有効であったという結果ととらえられます。 両組患者臨床症状継続期間、解熱するまでの時間などの比較(x±s) 項目 中西医組 (34例) 西医組 (18例) P 他の症状消失 29(87.9) 7(53.8) 0.034 CT画像改善 30(88.2) 12(68.8) 0.041 臨床完治 32(94.1) 11(61.1) 0.009 普通型から重症型 に悪化する 2(5.9) 6(33.3) 0.027 転院 3(8.8) 4(22.2) 0.358 死亡 0 1(5.6) 0.346 有害事象発生 0 0 1 王饶琼らの発表7)からは、清肺排毒湯の有効性について、以下のように報告されています。 9日間、清肺排毒湯の投与を受けた98症例の後ろ向き検討。軽症54 例(55.10 %),普通型33 例(33.67 %),重症及び重篤型11 例(11.22 %)。男性52 例,女性46 名,平均年齢は42.06±17.39歳でした。6日後、CRPとESRは正常化(CRP<8.2、ESR<10)した(p <0.01)。CT画像は、6日間の治療後に79人(80.6%)の患者で改善しました。清肺排毒湯は、コロナウイルス肺炎の治療に優れた臨床効果があり、患者の副作用を軽減し、治療効果を効果的に改善すると結論付けています。 単群の後ろ向き検討ではありますが、注目すべき点は、投与開始3日後に30%の症例で咳嗽が消失していること、86.6%が解熱していることで、この報告からは、迅速な効果があったと考えられます。 さらに、中華人民共和国国家衛生健康委員会の2月の発表8)では、清肺排毒湯での治療を確認済みの701症例のうち、130症例が治癒および退院し、51症例の臨床症状が消失し、268症例の症状が改善し、212症例が悪化せず安定した症状改善を示したと報告されています。COVID-19に対する清肺排毒湯の効果的な治癒率は90%以上です。 また、上海中医薬大学のグループは、清肺排毒湯が潜在標的スクリーニングにおいて、複数のリボソームタンパク質に作用することにより、COVID-19の複製を阻害可能であると報告しています9)。COVID-19は、強い免疫反応と炎症性サイトカインストームを引き起こす可能性がありますが、機能強化分析により、清肺排毒湯は免疫関連経路およびサイトカイン作用関連経路を調節することにより、過剰な免疫応答を抑制および緩和し、炎症を排除できることが示されています。 参 考 COVID-19感染の臨床分類1) 1.軽症型 症状が軽く、画像では肺炎症状が出ていない。 2.普通型 発熱や呼吸器症状があり、画像で肺炎が描出されている。 3.重症型 下記のいずれかに当たる場合 ① 頻呼吸、RR≥30回/分 ② 安静状態での酸素飽和度≤93% ③ 動脈血中酸素分圧(PaO2)/酸素濃度(FiO2)≤300mmHg(1mmHg=0.133kPa) ④ 肺の画像で、24―28時間の間に病巣の進展が明らかに50%を超えた患者

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