2019年1月21日月曜日

一般社団法人 日本禁煙学会 理事長 作田 学 2019 年1 月18 日 反対のご意見も載せておきます


週刊新潮 編集長 宮本太一様 2019 年1 月18 日
一般社団法人 日本禁煙学会 理事長 作田 学
貴誌2019 年1 月24 日号に、「ニコチンでアルツハイマーが防げる! 愛煙家の胸が晴
れた」との記事が掲載されました。しかしながらその内容は事実に反しており、なおかつ
根拠とする研究に利益相反の問題があります。
過去に、ニコチンがアルツハイマー病を予防するとの非科学的な説が、タバコ産業およ
びタバコ産業のお抱え学者から流布されていた時代がありました。その後、中立的機関に
よる多数の研究が行われ、喫煙がアルツハイマー病を増加させるとの一貫した結果が示さ
れています。一例では、喫煙者は非喫煙者に比べて1.79 倍アルツハイマー病になりやすい、
つまり喫煙をすると発病が8 割も増えるとされています1)
記事において根拠としている研究は、ニコチン投与により幹細胞が神経細胞に変化する
率がわずかに増えたというマウスの動物実験で、神経変性疾患であるアルツハイマー病の
発症機序とは無関係です。
しかも、この研究を行った米田幸雄名誉教授は、JT などタバコ産業の出資によって運営
されている喫煙科学研究財団から1200 万円もの研究援助を受けたタバコ産業のお抱え学
者であり、この研究は利益相反の点で中立性を欠いています。
医学的に誤っているばかりか、利益相反の問題を有した研究を基にした記事を読んだ喫
煙者が禁煙を思いとどまることにより、アルツハイマー病をはじめとする喫煙関連疾患の
犠牲になることがあってはならないと私たちは考えております。
したがって、本記事の削除と、確実な医学証拠に基づいた「喫煙(ニコチン)はアルツ
ハイマー病を増やす」との記事の速やかな掲載を要求いたします。
1)Anstey KJ, et al: Smoking as a risk factor for dementia and cognitive decline: a
meta-analysis of prospective studies. Am J Epidemiology, 166(4): 367-378, 2007
この週刊新潮の記事は、
脳の1000億個もあるといわれる、神経細胞が、アルツハイマー型認知症を発症すると、死滅していく、それで、大事な記憶が消えてしまったりする、
ニコチンが、その消滅するのを防ぐのに役立つ、ということだと思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿